2006-01-01から1年間の記事一覧

「グラン・ヴァカンス」&「ラギッド・ガール」

「グラン・ヴァカンス」☆☆☆★★★&「ラギッド・ガール」☆☆☆☆★ 作者:飛浩隆 出版社:早川書房 発行:2002年9月(「グラン・ヴァカンス」)、2006年10月(「ラギッド・ガール」) 全部書き終えたら長編3作といくつかの中短編で構成されるらしい「廃…

「くらやみの速さはどれくらい」

「くらやみの速さはどれくらい」☆☆☆☆★ 作者:エリザベス・ムーン 訳者:小尾芙佐 出版社:早川書房 発行:2004年10月 【途中までのあらすじ】 幼児期の自閉症治療が実現した近未来。主人公は、治療法確立前に成人した最後の世代の自閉症者ルウ。彼は、…

「ブラックサンデー」&「白い果実」

「ブラックサンデー」☆☆☆☆ 作者:トマス・ハリス 訳者:宇野利泰 出版社:新潮社(新潮文庫) 発行:1979年3月 久しぶりに文章を書くけれど、読むほうは休みなし。あいも変わらず続けています。 まずはいつかは読みたいと思いながらも放置していた「ブ…

強制オタクバトン

オタクバトン> ≪ルール≫見た人は絶対やること! ルールを破ったものは路上でキャストオフ(脱衣)!! ただ基本ルールとして、答え終わったら最後に一つ追加する。 【答え方及び判断の仕方】 ◎:キャラもストーリーも知ってる ○:だいたい知ってる □:微妙に…

指定形バトン

圭木一さんからいただきました…って宮部みゆきですか?全作品読んでない私ごときが書いていいのでしょうか。でもこれがリクエストなので書いてみましょう。指定形バトン(指定『宮部みゆき』) ・最近思う『宮部みゆき』 本当にすごい作家になったなあ、でし…

「捕虜収容所の死」

「捕虜収容所の死」☆☆☆★ 作者:マイケル・ギルバート 訳:石田善彦 出版社:東京創元社(創元推理文庫) 発行:2003年5月 収容所モノが好きです。といっても映画の話で、「大脱走」や「第17捕虜収容所」、「穴」などの、閉塞空間で知恵をしぼって脱走…

「夜のピクニック」

「夜のピクニック」☆☆☆★★★ 作者:恩田陸 出版社:新潮社(新潮文庫) 発行:2006年9月 わたしにとっての恩田陸は何より「六番目の小夜子」だった。第三回のファンタジーノベル大賞最終候補として残ったこの作品は、当初新潮文庫のファンタジーノベル・…

「少年時代」

「少年時代」☆☆☆☆★ 作者:ロバート・マキャモン 訳者:二宮馨 出版社:ソニー・マガジンズ(ヴィレッジブックス) 発行:2005年7月 恥を忍んで告白すると、ホラー界の三大巨頭といわれる、キング・クーンツ・マキャモンは今まで一作も読んだことがあり…

「オーデュボンの祈り」

「オーデュボンの祈り」☆☆☆★★ 作者:伊坂幸太郎 出版社:新潮社(新潮文庫) 発行:2003年12月 私には初・伊坂幸太郎です。外界から自ら門戸を閉ざした島。未来を見るという予言者の死を発端に起こる不可解な殺人事件と失踪。住民も曲者ばかり。道具立…

「ネバーウェア」

「ネバーウェア」 作者:ニール・ゲイマン 訳者:柳下毅一郎 出版社:インターブックス 発行:2001年7月 アメコミでは最早ビッグネームの、ニール・ゲイマンの長編。装丁が強面なので、これまで敬遠してましたが、読んでみるとそんなにハードルは高くな…

「時をかける少女」

「時をかける少女」監督:細田守 脚本:奥寺佐渡子 キャラクターデザイン:貞本義行 美術監督:山本二三 声の出演:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵ほか 公開:2006年・日本 「時をかける少女」、期待せず観に行ったら、私の予想など遥かに超え…

「イリアム」

「イリアム」 作者:ダン・シモンズ 訳者:酒井昭伸 出版社:早川書房 発行:2006年7月 ギリシア神話の神々と人間との戦いを主軸に、大きく3つのパートで語られる2段組765PのSF大作。とはいえ、今回は名作「ハイぺリオン」より、かなり路線をエ…

読み中

現在、ダン・シモンズ「イリアム」を読み中。 2段組765ページは伊達じゃなく、半日たっても150ページも読めてません。でも面白い。今月中に読み終えるかな?というところ。

「アジア新聞屋台村」

「アジア新聞屋台村」 作者:高野秀行 出版社:集英社 発行:2006年6月 書き出しが上手い!という訳で、つい衝動買い。 ちなみに、こんな具合に話は始まる。 「もしもし、タカノさんでいらっしゃいますか?」 若い女性の声だが、どことなく発音がおかし…

「圓楽 芸談 しゃれ噺」

7/15〜7/17までの三日間は「大銀座落語祭」。今年でもう三年目になる大イベントだ。銀座の複数の会場で同時多発的に、様々な趣向の落語会が催されるため、すべて観ることは絶対出来ないという賑やかさ。木戸も安い。そんな訳で、来年から五日間になる…

「レナード現象には理由がある」

「レナード現象には理由がある」 作者:川原泉 出版社:白泉社 発行:2006年7月 80年代、少女マンガの頂点に立った作家・川原泉の最新刊。本当に久しぶりの短編集だが、”久しぶり”はそれだけじゃない。いったいいつ以来だろう?男女の情をテーマにし…

「シンギュラリティ・スカイ」

「シンギュラリティ・スカイ」 作者:チャールズ・ストロス 訳者:金子浩 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫) 発行:2006年6月 本当につい最近、「アッチェレランド」がヒューゴー賞の長編賞を受賞したばかりのストロスの第一長編。私は、SFマガジンの…

「ぼくがカンガルーに出会ったころ」

「ぼくがカンガルーに出会ったころ」 作者:浅倉久志 出版社:国書刊行会 発行:2006年6月 私は訳者あとがきが大好きです。特に引用とユーモアが上手い浅倉久志さんのあとがきは、図書館で本編も読まずそれだけ読んだりしてました。 邪道ですね。 さて…

周辺雑記

面白そうな本が多くて困ります。今読んでいるのがチャールズ・ストロス「シンギュラリティ・スカイ」。根っからのSFファンなんだろうなあ、という感じの笑いが満ちた、愛嬌たっぷり情報量もいっぱいのSF。楽しい。浅倉久志さんのエッセイ集「ぼくがカン…

「ケロロ軍曹」

中国製でしょうか?バーベキュー味のお菓子を頂きました。パッケージ裏の紹介文がなんだか面白い。一部引用すると―地球的豊富資源引發外星人的侵略、首批先鋒部隊也各自降落在地球各角落、而這群外星人的長相竟然…酷似「青蛙」!結構、内容が分かるものです…

「マンダレイ」

「マンダレイ」 監督・脚本:ラース・フォン・トリアー 出演:出演:ブライス・ダラス・ハワード、ダニー・グローヴァー、ウィレム・デフォー、ローレン・バコール他 公開:2005年・デンマーク 先に、かつて私が書いた前作「ドッグヴィル」の感想を… 「…

「竜とわれらの時代」

「竜とわれらの時代」 作者:川端裕人 出版社:徳間書店 発売:2002年10月 ※文庫版も徳間書店刊(徳間文庫) 感想は後ほど。

「石の血脈」

「石の血脈」 作者:半村良 出版社:角川春樹事務所(ハルキ文庫) 発表:1971年11月 発売:1999年9月 課題図書の「殺人ピエロの孤島同窓会」が読書心を萎えさせる作品だったので、口直しに読みました。恥ずかしながら初読です。巨石信仰や人狼伝…

「殺人ピエロの孤島同窓会」

「殺人ピエロの孤島同窓会」作者:水田美意子出版社:宝島社発売:2006年3月 6月の課題図書2冊目。 第4回「このミステリーがすごい!」大賞特別奨励賞受賞作。私の読んだなかで、現時点で今年一番”サイテー”な長編。無軌道な展開と頭の悪い登場人物…

「火星縦断」

「火星縦断」MARS CROSSING作者:ジェフリー・A・ランディス訳:小野田和子出版社:早川書房(ハヤカワ文庫SF)発売:2006年5月 6月の課題図書1冊目(2冊目はまだ未定、相談中です)。2000年発表の火星SF。着陸直後に帰還船の故障が発覚した…

「『ベータ2のバラッド』その①…「プリティ・マギー・マネーアイズ」

「ベータ2のバラッド」THE BALLAD OF BETA-2 編者:若島正作者:サミュエル・R・ディレイニー、バリントン・J・ベイリー、キース・ロバーツ、ハーラン・エリスン、リチャード・カウパー、H・G・ウェルズ出版社:国書刊行会(未来の文学第Ⅱ期)発売:2…

「アマゾニア」

「アマゾニア」 作者:粕谷知世 出版社:中央公論新社 発表:2004年10月 駆け込み、5月の課題図書その2の感想を。「クロニカ」で第13回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した粕谷知世の第2作となる本作は、16世紀のアマゾンが舞台です。女だけ…

「太陽の塔」

「太陽の塔」 作者:森見登美彦 出版社:新潮社(新潮文庫) 発表:2003年12月 フラれ男の主人公を中心にした、ぱっとしない京大生たちの青春群像。特筆すべきは抜群の語り口。椎名誠の青春小説にスタンスは近いのですが、むしろ、個人的には中島敦や…

「もやしもん3巻」

「もやしもん」TALES OF AGRICULTURE 3巻作者:石川雅之出版社:講談社(イブニングKC)発売:2006年5月 5月の課題図書2冊目は読み中。 そんななか、今日が「もやしもん」発売日でしたので早速宣伝を。これは、細菌が目で見える特殊能力を持つ青年…

「毒薬の小壜」

「毒薬の小壜」A DRAM OF POISON作者:シャーロット・アームストロング訳:小笠原豊樹出版社:早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)発売:1977年10月 課題図書を浮気してずっと読んでいたのがこの本。 自殺を思い立った男、ところが肝心の毒薬をバスに…