「『ベータ2のバラッド』その①…「プリティ・マギー・マネーアイズ」
「ベータ2のバラッド」THE BALLAD OF BETA-2
編者:若島正
作者:サミュエル・R・ディレイニー、バリントン・J・ベイリー、キース・ロバーツ、ハーラン・エリスン、リチャード・カウパー、H・G・ウェルズ
発売:2006年5月
SFの中でも1960〜70年代前半のニューウェーブ作家を中心に紹介する豪華アンソロジー。こわもてとはこのこと…とはいえ食わず嫌いも何なので、とりあえずハーラン・エリスン「プリティ・マギー・マネーアイズ」(伊藤典夫訳)から読み始めました。でも、エリスンは苦手。「死の鳥」も「世界の中心で愛を叫んだけもの」も全然ピンとこなかったからなあ。ところがところが、杞憂はふっとびました。
「プリティ・マギー・マネーアイズ」面白い!
博打小説の傑作じゃないですか。
博打小説というとロアルド・ダールの短編「南から来た男」が有名ですが、あれよりもずーっと読んでて興奮しました。30Pちょっとの長さながら、インパクト大。テーマ、筋運びがエリスン独特の文体と噛合って効果抜群。
それにしても、久しぶりに大手を振ってお勧めできる作品だなあ。え、SFかって?そんな小さなこと、気にしないの。