「イリアム」
ギリシア神話の神々と人間との戦いを主軸に、大きく3つのパートで語られる2段組765PのSF大作。
とはいえ、今回は名作「ハイぺリオン」より、かなり路線をエンタメにシフトしているため、やたらと読みやすい。特に今回は文学談義などもバンバン入ってくるので、シモンズさん、えらくのんびりしてるなあ、などと思ったりもしていましたが…400P台後半から一気に加速。これまでのは全部伏線かよーと思ううちに、大ネタが惜しげもなく投入され続け、アクション・ホラーの技も冴えわたり、ページを繰る手も止まらずに、気づいたらもう終盤700P。いよいよここから山場!というところで終了となる訳です。
正直言って謎だらけ。これを一体どう落とすつもりなの?早く続きが読みたいよーという幸せな悲鳴を”また”あげることになりました。ほんとに罪な作家です。
ローカス賞受賞作。