指定形バトン
圭木一さんからいただきました…って宮部みゆきですか?全作品読んでない私ごときが書いていいのでしょうか。でもこれがリクエストなので書いてみましょう。
指定形バトン(指定『宮部みゆき』)
・最近思う『宮部みゆき』
本当にすごい作家になったなあ、でしょうね。
最新作「名もなき毒」は新聞連載で追っかけてました(東京新聞)。「魔術はささやく」以来のテーマを掘り下げ、いい作品に仕上がってます。ほんと、これほどの大作家になるなんてね。
・この『宮部みゆき』には感動!!!!
いまさらこんな有名作品もってきて申し訳ありませんが、私にとっての宮部みゆきは、はるか昔の15年前、高校時代に手にした「火車」から始まりました。とくに感動したのはこの作品のラスト。これはもう、小説でなくては味わえない感動だったといっても過言ではないでしょう。
・直感的『宮部みゆき』
ひとことでいうなら、「悪意との対峙」。
良い作家は同じ主題を掘り下げていくものだ、といいます。ミステリ作家宮部みゆきに関しては、「悪意との対峙」こそが繰り返される主題でしょう。初期作品はこの「悪意」が描ききれず(それをあえて描かないことで見事な作品になったのが「火車」でしょう)、もう少しなのになあ(「スナーク狩り」のもう一押しのなさが当時本当に勿体無いと思ったものです)、と一読者として悔しかったりしたけど、「模倣犯」や前述「名もなき毒」では見事にこの主題と対峙しています。
というわけで、作品そのものの本筋だけでなく、作家として「悪意」というものにどう立ち向かうのか、という二重の意味で「悪意との対峙」を成し遂げてきた作家だと思っています。
・好きな『宮部みゆき』
”すごい”宮部とか”こわい”宮部とかいろいろありますが、”好きな”宮部みゆきに限定するなら、短編「サボテンの花」です(文春文庫刊の短編集「我らが隣人の犯罪」に収録)。こういう作品があってこそ宮部みゆき。もし食わず嫌いで手に取ったことがない人がいたら、立ち読みでもいいので「サボテンの花」、読んでみてください。
・こんな『宮部みゆき』は嫌だ!
休筆、断筆はしてほしくないな。ここまでの作品を書いてきた作家に、もっと続きを、なんて酷なお願いかもしれませんが。
・この世に『宮部みゆき』がいなかったら…
それはおそらく今後十年、二十年後に明らかになると思いますよ。例えば宮部みゆき自身も岡嶋二人にあこがれて作家をめざした人ですから。宮部みゆきが好きで作家になる人は確実にたくさん出てくることでしょう。宮部みゆきがいないということは、その作家たちもいないってことですからね。まあ、あまりに宮部みゆきのレベルが高くて作家を断念する人もいるかもしれませんが…(かの岡嶋二人が、宮部みゆきの新潮ミステリー大賞応募作「魔術はささやく」のあまりの新人離れした出来のよさに打ちのめされた、というのは本当の話だそうな)。
・次に回す人、5人(『指定』付きで)
ごめんなさい、いません。ネットに知り合いがいないのです。